万葉がな(読み)まんようがな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「万葉がな」の意味・わかりやすい解説

万葉がな
まんようがな

日本における漢字用法の一つ。日本語を,原則としてその意味とは無関係に,その音と同一あるいは類似の音 (→漢字音 ) または訓をもつ漢字を用いて表記したもの。『万葉集』に多く用いられているのでこの名があるが,別名真仮名 (まがな) 」ともいう。漢字の音を利用したものを「音仮名」 (阿里〈アリ=有〉,夜麻〈ヤマ=山〉) ,訓を利用したものを「訓仮名」 (日香(流)〈ヒカ(ル)=光〉,山跡〈ヤマト=倭〉) という。奈良時代までは,同音を表記する異字が増加の傾向にあったが,奈良時代末頃からは次第に単純化し,1字1音節のものが用いられ,異字も少くなっていった。平安時代になってひらがな片仮名が発生するに及び,万葉がなは次第に用いられなくなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android