日本大百科全書(ニッポニカ) 「タービンヘリコプター」の意味・わかりやすい解説
タービンヘリコプター
たーびんへりこぷたー
turbine powered helicopter
タービン(ターボシャフト)エンジンを装備したヘリコプター。現在はほとんどすべてがタービンヘリコプターである。ヘリコプターは上下前後の重心位置の許容範囲が狭く、物の搭載、回転翼への動力の伝達、エンジンの大きさ、その取付け場所などの関係がむずかしく、ピストンエンジンではその発展に限界があるとみられていた。しかし、小型・軽量で出力の大きいタービンエンジンの装備によってこうした制約はなくなり、搭載量、飛行性能は大幅に向上し、固定翼機(普通の飛行機)並みの実用性が得られるようになった。これにヘリコプター独得の飛行特性(垂直離着陸、後退、横ばい飛行)が加わるため、タービンヘリコプターはきわめて有用な輸送用機器となった。これを初めて生産したのはフランスのシュド社で、1955年「アルーエトⅡ」でその高性能を立証した。
[落合一夫]
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