ダルマオコゼ(読み)だるまおこぜ(英語表記)monkeyfish

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダルマオコゼ」の意味・わかりやすい解説

ダルマオコゼ
だるまおこぜ / 達磨鰧
monkeyfish
daruma stinger
[学] Erosa erosa

硬骨魚綱のカサゴ目オニオコゼ科に属する海水魚。本州の中部地方以南から東シナ海、南シナ海を経て、東部インド洋やオーストラリア北部に分布する。体は太短く、頭はすこぶる大きくて、高さと幅がほとんど等しい。頭には骨質の粗雑な突起や隆起線が多く露出している。眼隔域(左右の目の間隔域)の後ろに、前後に分かれた四角形の深いくぼみがある。体には鱗(うろこ)がない。体は淡赤色のものが多いが、個体変異は著しい。尾びれにおよそ4条の淡褐色帯がある。沿岸の岩礁域や、礫底(れきてい)にすむ。全長15センチメートルぐらいになる。

 背びれ、臀(しり)びれ、腹びれの棘(とげ)には猛毒があり、刺されると危険である。刺されたときには応急処置として、火傷(やけど)をしない程度の熱いお湯に浸すとよいとする報告があるが、早く医者に診せるとよい。食用としないが、形の奇抜さから水族館などで飼育され、人気がある。近縁種オニダルマオコゼは、後頭部の凹みが四角形ではないことで区別できる。

[尼岡邦夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android