…モーブは赤紫色染料でサフラニン系の塩基性アジン染料と推定される。パーキンは57年にこの染料を工業的に製造し〈チリアンパープル〉と名づけて売り出したが,イギリスではあまり評判がよくなく,フランスで〈モーブ〉(野生の草花の名,アオイの仲間)という名で売り出し有名となった。モーブそのものの実用価値は低かったが,この発明が世界中の染料工業の出発点となり,さらに今日の合成化学の発展の源となった意義は大きい。…
※「チリアンパープル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」