ツリガネヒメグモ(その他表記)Achaearanea angulithorax

改訂新版 世界大百科事典 「ツリガネヒメグモ」の意味・わかりやすい解説

ツリガネヒメグモ
Achaearanea angulithorax

ヒメグモ科のクモ。崖地,石垣,木の洞などに土,砂,木くず,食べかすなどを糸でつづって釣鐘状の住居をつくり,その中に潜むのでこの名がある。住居は1~2本の糸でつるし,その下には数本の糸からなる不規則網を張る。東南アジア,中国,台湾,日本全土に広く分布する。体長2~3mm。頭胸部は褐色または黒褐色,腹部はふつう褐色の地に白色斑が点在し,中央よりやや下に灰白色の横帯を有する。歩脚は淡褐色。餌はアリ,ワラジムシなど地上徘徊性の昆虫が多く,糸にかかった獲物をつり上げてとらえる。産卵期は7~8月。直径2mm前後の淡褐色の卵囊を1~3個住居内につくる。釣鐘状住居をつくるクモには,ほかに千葉県以南の太平洋岸の各県にヒザブトヒメグモが分布しているが,本種は釣鐘を作っている土や砂が,ツリガネヒメグモより細かい。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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