改訂新版 世界大百科事典 「ツルボラン」の意味・わかりやすい解説
ツルボラン
branched asphodel
Asphodelus ramosus L.
花壇に栽培されるユリ科の多年草。花茎は1.5mほどに達し,白色の花を密な総状花序につける。花序はしばしば分枝して円錐状となる。種小名のramosus(枝分れした)はこの性質にちなむ。花被は6枚あり,長楕円形で長さ約2cm。中央に紫条がある。花期は5~6月。葉はすべて根出し,広線形,長さ60~90cm。地下には球状に肥大した根があり,原産地の南ヨーロッパではこれを食用にする。栽培はやさしい。
ツルボラン属Asphodelus(英名asphodel)は地中海地方からインドにかけて12種ある。A.tenuifolius Cavanはパンジャーブ平原の雑草の代表的なもの。
執筆者:矢原 徹一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報