日本大百科全書(ニッポニカ) 「テイ・ブリッジ」の意味・わかりやすい解説
テイ・ブリッジ
ていぶりっじ
Tay Bridge
イギリス、スコットランドのテイ入り江を横断する鉄道橋。トーマス・ブーチを技師長として建設された。1877年に完成した初代の橋が1879年末に強風によって崩落し、一編成の列車が海中に飲まれ、生存者1人もなしという大惨事を起こしたことで有名である。当時の橋の全長は約3キロメートルあり、支間60メートルの錬鉄製綾(あや)形(ラティス)トラスが、海面上約27メートルの高さに延々と連なっていた。これを支える橋脚は、鋳鉄管の柱を錬鉄製の部材で連結した構造である。この事故が警鐘となって、それ以後、橋に及ぼす風圧の問題が真剣に取り上げられるようになった。
[堀井健一郎]