…こうしてみると,古代ギリシア人の基本的な存在理解が,植物のような自然的存在者の存在構造をモデルにしたものであったのに対して,プラトンは制作物をモデルにしたまったく異質の存在論を提唱したことになる。この存在論は同時代のギリシア人から見ても,〈異国的(エクトポテロスektopōtelos)〉な感じのするものであったらしい。そしてこの存在論のもとで,かつては生成力を内蔵した存在者の全体を意味していたフュシスが,無機的な素材という存在者の特定領域におとしめられてしまったのである。…
※「テロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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