ディオグネトスへの手紙(読み)ディオグネトスへのてがみ(その他表記)Epistle to Diognetus

改訂新版 世界大百科事典 「ディオグネトスへの手紙」の意味・わかりやすい解説

ディオグネトスへの手紙 (ディオグネトスへのてがみ)
Epistle to Diognetus

使徒教父に入れられる一文書であるが,内容的には弁証文学である。ディオグネトスなる人物にあてて,キリスト教異教ユダヤ教よりすぐれたものであることを弁証する。2~4章で異教の偶像礼拝,ユダヤ教の供え物の批判をし,5~9章ではキリスト教の卓越性と神的起源が語られる。10章では信仰の喜びに生きるようすが語られ,キリスト教を受け入れるよう勧告する。文体,内容ともに優れる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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世界大百科事典(旧版)内のディオグネトスへの手紙の言及

【使徒教父】より

…伝統的には〈使徒たちの教えを受けた教父たち〉という意味で用いられている。初期においては《バルナバの手紙》《クレメンスの第1の手紙》《クレメンスの第2の手紙》《ヘルマスの牧者》《イグナティオスの手紙》《ポリュカルポスの手紙》《ポリュカルポスの殉教》の7書のみが含まれていたが,19世紀になってから新たに《パピアスの断片》《クアドラトゥスの断片》《ディオグネトスへの手紙》《ディダケー》が加えられた。 これらのうち《ディオグネトスへの手紙》のみは,本来護教文学と呼ばれる一連の文書に属するのであるが,11章1節で著者が自分のことを〈使徒たちの弟子〉と呼んでいるために使徒教父文書に入れられたと思われる。…

※「ディオグネトスへの手紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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