最新 地学事典 「デプリート」の解説
デプリート
deplete ,depleted
枯渇の意。主に玄武岩質岩石またはその起原物質の微量元素濃度パターンあるいは同位体比などの地球化学的特徴を記述する際に用いられる。アルカリ金属,アルカリ土金属といった類似の化学的挙動を示す元素の族において,より大きなイオン半径をもつ元素(例えば,Kに対しRb, Srに対しBa, Ybに対しLa)に枯渇する(deplete)こと。デプリートしていない岩石と比較して,高いK/Rb, Sr/Ba, あるいは低いLa/Ybで特徴づけられる。岩石中の不適合元素濃度が全般に低い場合にも用いられる。初期地球から閉鎖系で進化したと仮定される値より低い87Sr/86Sr, 206Pb/204Pb(207Pb/204Pb),高い143Nd/144Ndで表される同位体比はデプリートの特徴。このような性格のマグマの起原物質となるマントルをデプリートマントル(depleted mantle)という。デプリートという語は現在ではその用途も広く,岩石全般の地球化学的性質を論ずる際に使用される。
執筆者:佐野 栄
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

