改訂新版 世界大百科事典 「デュードネ」の意味・わかりやすい解説
デュードネ
Jean Alexandre Dieudonné
生没年:1906-
フランスの現代数学者。1906年リールに生まれる。27年エコール・ノルマル・シュペリウールを卒業,レンヌ大学助教授,次いでナンシー大学教授となる。戦後ブラジルのサン・パウロ大学,次いでアメリカ・ミシガン大学,ノースウェスタン大学で教えた後,帰仏してパリ郊外の高等科学研究所教授,64年ニース大学教授,翌年同理学部長となり,70年国際数学者会議がニースで開催されたときは主催者の中核となって活躍した。1930年代に数学を新しい視野から統一的に記述することを企図したブールバキ集団の創立者のひとりである。専門分野は主として解析学で,6巻の《解析要論》(1960-75)を著したが,一般位相学,代数学など多くの分野の論著もあり,60年代には大著《代数幾何学要論》の編修にA.グロタンディクと協力した。同じく60年代に数学教育現代化を推進したひとりでもあり,数学史にも関心をもっている。
執筆者:弥永 昌吉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報