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解析学 かいせきがくanalysis

翻訳|analysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

解析学
かいせきがく
analysis

関数についての理論を,連続変数に関する連続性・微分可能性などを中心に研究する数学の一分科をいう。微分積分学,微分方程式論,積分方程式論,変分学,測度論,級数論,フーリエ解析ベクトル解析実変数関数論複素変数関数論ポテンシャル論などと,これに続く諸分科がこれに含まれる。

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デジタル大辞泉の解説

かいせき‐がく【解析学】

微分積分学とそれから発展した数学の諸分科の総称。微分積分学・微分方程式論・積分方程式論・実関数論複素関数論など。

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百科事典マイペディアの解説

解析学【かいせきがく】

極限の概念を主対象とする数学の部門の総称。微分積分学をはじめとし,それから発展した関数論微分方程式論,積分方程式論,変分法(変分学),関数解析など広範囲にわたる。
→関連項目位相数学コーシー実変数関数論ラプラス

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世界大百科事典 第2版の解説

かいせきがく【解析学 analysis】

解析学は,代数学,幾何学と並べられる数学の主要部門の一つである。古く17世紀前半R.デカルトの時代には,記号による算法を漠然と解析と呼んだ。それで17世紀後半にI.ニュートンとG.W.ライプニッツの発見した微分積分法は,無限小の解析とも呼ばれた。現在では,無限に関する極限の概念をおもな対象とする数学の分野を総称して解析学という。 ニュートンとライプニッツによって発見された微分積分法は,19世紀に入ってA.コーシーによって一応その体系が整えられた。

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大辞林 第三版の解説

かいせきがく【解析学】

微分学・積分学から発展した数学の総称。微分方程式論・積分方程式論・複素関数論などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

解析学
かいせきがく
analysis

代数学、幾何学と並んで、数学を大きく分けたときの一つの分野。極限概念を基礎とする。級数論、微分積分法、複素関数論、フーリエ解析、関数解析、微分方程式論、積分方程式論、変分法などの総称。[竹之内脩]

ギリシア時代から17世紀まで

極限概念のおこりは古く、紀元前400年ごろのエウドクソスにまでさかのぼる。ユークリッドの『原本』(ストイケイア)で、円錐(えんすい)、角錐の体積を求めているが、これはエウドクソスによるものである。その後、アルキメデスは前250年ごろ、放物線とその一つの弦で囲まれた部分の面積、球の表面積、体積などを与えている。これらギリシアの数学者は、求める量Sがある値Aであることを証明するために、量Sを近似する列をつくった。それを用いて、|S-A|がゼロに収束するようなある数列のどの項よりも小さいから、ゼロでなければならないとした。これは、「取りつくし法」とよばれている。その議論は幾何学的で、まことに厳格なものだったが、以後しばらくはその研究を発展させることのできるものがなく、解析学の新たな展開は17世紀まで待たなければならなかった。もっとも、フランスのオレームNicole Oresme(1330―82)は、

のようないろいろな級数を扱っているし、フランスのビエタF. Viteは、アルキメデスの与えた円周の長さの計算から、いわゆるビエタの公式

をつくった。
 17世紀初め、ガリレイは、いろいろな図形の重心や慣性モーメントを計算し、またイタリアのカバリエリは、図形が線分や薄板でできていると考えてカバリエリの原理を案出し、図形の面積や体積を求めている。パスカルの求積法も同じような考え方、方法論によっている。17世紀前半には、イギリスのネーピアや、スイスのビュルギによる対数の発見があり、それまでに知られていた三角関数などとともに、関数概念を形成していくうえで大きな影響があった。デカルトによって図形と式を結び付ける解析幾何学が創始されたことは、微分積分学が誕生するうえで決定的な意味をもつものであった。実際、フェルマーやイギリスのバローは、この結び付きをもとに、曲線に接線を引く方法を研究した。ベルギーのサン・バンサンGregorius Saint Vincent(1584―1667)は、双曲線y=1/xの下の面積が、対数の性質をもつことを発見している。[竹之内脩]

17世紀後半~18世紀

17世紀後半の1665年にニュートンが、75年にはライプニッツが微分積分法を発見した。ニュートンのこの発見は、不十分な形で近辺の数学者にのみ伝えられていたようで、ライプニッツはまったく独自に自分の研究を発表したのである。1667年に二度にわたってニュートンからライプニッツにあてた手紙、およびその返書により、お互いの研究が交換された。
 このころは、関数を展開することが大きな関心の対象となった。1665年にニュートンが一般の二項定理を、68年にメルカトルNicolaus Mercator(1619―87)がlog(1+x)の級数展開を、69年にニュートンがsinx、cosxの級数をみいだしている。ライプニッツの公式

は76年のニュートンへの手紙の中に登場する。これらの一般形であるテーラーの公式は1715年に発表された。スイスのヤコブ・ベルヌーイとその弟ヨハン・ベルヌーイは、ライプニッツの微分積分法を独自に研究し、発展させた。そして、ニュートン、ライプニッツに始まる微分方程式を研究して、そのいろいろな解法を発見している。
 18世紀に高くそびえるのはオイラーである。『無限小解析入門』(1748)において、系統的な解析学の叙述が初めて展開された。自然対数の底(てい)eの導入、そしてオイラーの公式
  eix=cosx+isinx
などが論じられている。さて、ニュートンが微分積分法と同時に確立した力学の原理は、その後の解析学の発展の重要な契機となった。ベルヌーイによって変分法の問題が論ぜられ、また弦の振動の問題が、テーラー、ダランベール、オイラーによって研究されている。また18世紀末、ラグランジュは解析力学を創始した。ラプラスの天体力学も壮大な理論である。[竹之内脩]

19世紀以後

19世紀は、解析学の足元を見直し、その明確な基礎をつくっていった時代であった。実数の理論が現代的な形をとるのは、19世紀後半、ワイアシュトラース、デーデキント、カントルらの研究のあとのことであるが、コーシーはすでにその『解析教程』(1822)において、いわゆるコーシーの判定条件を明記している。これは実数を公理的に定義するのに十分な命題であった。コーシーはまた積分の定義を明確にしようとしたが果たせず、それはリーマンに帰せられることになる。コーシーはさらに、微分積分法を複素変数の場合にまで進め、複素関数論の基礎をつくった。これは、ワイアシュトラースによって解析関数の理論へと発展した。また、ガウス、ヤコービによる楕円(だえん)関数論も、その後の数学全般に与えた影響は大きい。
 一方フーリエは『熱の解析的理論』(1811)において、関数をフーリエ級数に展開し、あるいはフーリエ積分で表現し、それを活用することを論じた。これは、そのままでは数学的理論になっていなかったが、のちにディリクレらによって基礎づけられ、現在の解析学の重要な手段となっている。下って1870年代、カントルが始めた位相空間の議論は、解析学のなかにも取り入れられた。そして、20世紀初頭のフレドホルムやヒルベルトの積分方程式論は、抽象的に発展してヒルベルト空間の理論となり、量子力学の誕生とともに、物理学にも重要な手段を提供することになった。ヒルベルト空間の理論は、広く発展して関数解析となり、今日の解析学の特徴ある姿をつくっている。[竹之内脩]
『小堀憲著『数学の歴史5 18世紀の数学』(1979・共立出版)』

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