改訂新版 世界大百科事典 「デルーレード」の意味・わかりやすい解説
デルーレード
Paul Déroulède
生没年:1846-1914
フランスの右翼政治家。代訴人の息子としてパリに生まれ,弁護士となった。普仏戦争がおこると志願して参加,パリ・コミューンの鎮圧にも加わったが,1874年落馬によるけがで退役した。この間詩集《兵士の歌》(1872)を公刊して愛国詩人としての名声を獲得し,75年には《新・兵士の歌》を出版した。次いで82年,ドイツに対する復讐を目ざして愛国者同盟を創立したが,権力を確立した共和主義者が対独復讐から遠ざかるのを見て国民投票に基づく専制体制の樹立を夢み,復讐将軍ブーランジェを支持して活発に運動した。ドレフュス事件では反ドレフュス派として活動し,99年2月,大統領フォールの葬儀の日に,愛国者同盟の会員をひきつれロジェ将軍を大統領官邸に進撃させようとして失敗,さらに軍隊に反乱を扇動して逮捕された。1900年に10年の追放に処せられ,スペインに亡命,05年大赦で帰国し,第1次世界大戦勃発の半年前に死んだ。
執筆者:山極 潔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報