デーバ(英語表記)deva

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デーバ」の意味・わかりやすい解説

デーバ
deva

インドにおける神を意味する言葉。インドの宗教はベーダ聖典によれば多神教であり,自然界の構成要素を神格化した天神ディアウス,太陽神スーリヤ,月神チャンドラ,暁紅神ウシャス,雷神インドラ,風神バーユ,水神アーバス,また祭祀的要素を神格化した火神アグニ,酒神ソーマなどがそれである。普通は天,空,地の3界に分れ,その数は 33神とされているが明確には限定しがたい。不死で永遠の若さを保ち,人間の運命を左右する超越的な存在と考えられているが,人間的な喜怒哀楽もち車駕に乗り,武器を手にした姿で表わされることが多い。デーバは本来はサンスクリット語で「輝きを発するもの」を意味し,漢訳では天と訳されている。なお女神は女性形をとってデービーと呼ばれる。

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