改訂新版 世界大百科事典 「トグル機構」の意味・わかりやすい解説
トグル機構 (トグルきこう)
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倍力機構ともいう。リンク機構(リンク装置)の一種で,小さな操作力で大きな力を得るのに用いられる機構。同じ仕事量を与えた場合,仕事をする部分の速度が大きければ得られる力は小さくなるし,逆に速度が小さければ力は大である。したがって,トグル機構では,力を出す部分の動きは著しく小さくなるようになっているのがふつうで,各リンクの長さを適当に選ぶことにより実現できる。トグル機構の例を図に示したが,aは金属板などを手の力によって切断する機械などに使われ,操作力Pに比べQはこれよりかなり大きい力になる。bは,一様な力で回転するクランクAからEに周期的に大きな力を作用させるものである。リンクCとDが直線に近くなったときEの速度は小さくなり,大きな力が加わることになる。金属板の打抜きなどに使われる。
執筆者:三浦 宏文
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報