機械(読み)キカイ

デジタル大辞泉 「機械」の意味・読み・例文・類語

き‐かい【機械/器械】

動力を受けて、目的に応じた一定の運動・仕事をするもの。
実験・測定・運動競技などに使う装置・道具。
自分の意思を失ったように、指令どおりに動いたり、物事を繰り返したりすること。
[補説]「工作機械」「包装機械」のように、動力を用いて操作する装置(マシン)を「機械」、「測定器械」「光学器械」のように、人間が直接動かし、比較的小型で小規模な装置や道具(インストルメント)を「器械」と使い分けることが多い。
書名別項。→機械
[類語](1)(2機器機具器具利器装置機関からくり仕掛けマシンメカニズム

きかい【機械】[書名]

横光利一の小説。昭和5年(1930)発表。心理主義的手法が高く評価された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「機械」の意味・読み・例文・類語

き‐かい【機械・器械】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 器械 ) うつわ。入れ物。また、器具。道具。〔新令字解(1868)〕
      1. [初出の実例]「他の我邦人の如く間接に材料を佩文韻府の如き機械より取り出し来るに非ずして」(出典:一年有半(1901)〈中江兆民〉三)
      2. [その他の文献]〔呂覧‐貴信〕
    2. 武器。〔令義解(718)〕〔周礼‐天官・司書〕
    3. 糸やゼンマイなどのしかけのある器具。からくり。
      1. [初出の実例]「機械とは、上へはあらはれずして下にてあやつる也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)
    4. 動力装置をつけて作業をするもの。原動の機構、伝導の機構、作業の機構の三部からなる。この三機構を備えたものを「機械」とし、一機構を欠いたものを「器械」と定義されることもあるが、一般的には前者は規模の大きいもの、後者は規模の小さいものをさすことが多い。
      1. [初出の実例]「凡そ此規則は総器械術の原礎にして、諸器の機動、皆此理を出づる者なし」(出典:気海観瀾広義(1851‐58)六)
      2. 「遠く活字刷る機械の音にわかれかへりて」(出典:収穫(1910)〈前田夕暮〉上)
    5. ( 器械 ) 実験、測定などに使う道具。
      1. [初出の実例]「理学輪講〈略〉の類を独見し来て輪講せしめ教師兼て器械を用ゐて其説を実にす」(出典:小学教則(1872)〈文部省〉)
    6. 生物の体内の器官。
      1. [初出の実例]「総て百般の諸病其初生より中年に至るの間、機械の発育に障碍あり」(出典:七新薬(1862)七)
    7. 手段。
      1. [初出の実例]「若し此小冊子にして猶ほ新福音を宣伝するの機械となるを得ば」(出典:後世への最大遺物‐再版に附する序言(1899)〈内村鑑三〉)
    8. 他人に使われて自分の意思を持たないで働くこと。また、その人。
      1. [初出の実例]「ピームが所謂議会にして其権力なき時に於ては唯専制の器械たるに過きずと謂ひしは」(出典:将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉三)
  2. [ 2 ] ( 機械 ) 小説。横光利一作。昭和五年(一九三〇)発表。新心理主義的手法を用いた作品で、文壇に衝撃を与えた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「機械」の意味・わかりやすい解説

機械 (きかい)

〈きかい〉という言葉は古くからあったが,〈機械〉の文字が用いられるようになったのは1874年以後である。それ以前は〈器械〉と書くのが普通であった。この語は古くは《周礼》に出てきて,〈器〉は楽器,〈械〉は武器を意味していた。さらにさかのぼると〈器〉は,(一説によれば)犬の周囲に口が四つ集まっている形で犬の肉を盛った皿のことだという。《後漢書》の注によると〈内に盛るものが器,外に盛るものが械〉である。この意味での器は〈うつわ〉で,たとえば《荀子》に出てくる〈器械〉の〈器〉は鎧(よろい)・冑(かぶと)で〈械〉は矛・弓などである。もとは楽器や武器であったにせよ,この文字はやがて役に立つ道具という意味で用いられるようになり,幕末にオランダ語のmachineを訳すときも〈器械〉や〈器〉の語が用いられた。

 オランダ語や英語のmachineはもとギリシア語のメカネmēchanēからできた語である。メカネがラテン語に入ってマキナmachinaになり,それがヨーロッパの各近代語に変わったのである。ギリシアでメカネと呼ばれたものは,アレクサンドリアのヘロンによれば,てこ,ろくろ,くさび,ねじ,滑車である。ヘロンはこれらを〈一定の力によって一定の重量物を動かすことのできるメカネ〉と呼んだ。ローマのウィトルウィウスの定義によると〈マキナとは,木材を結合して組み立てたもので,重量物を動かすのに最も役立つもの〉である。メカネという語を使用した代表例はヘロドトスが《歴史》の中でピラミッドの建造法を述べた個所であるが,ここでも起重機の意味で用いられている。メカネは日本では〈単一機械〉と訳され,これらが機械要素だからだと解説されているがこれは誤りである。英語のsimple machineというのは,現在のような複雑な機械に対して〈単純な器械〉という意味でsimpleという形容詞が付されたので,ろくろや滑車を〈単一〉ということはできない。ギリシア語のメカネが劇場で〈神〉を登場させる仕掛け(デウス・エクス・マキナ)の意味をもっているのも,それが起重機だからである。〈うつわ〉としての器にあたるものとしてはスケウオスskeuosという語が別にあって,メカネというときにはつねに〈動かす〉ための道具という意味が入っている。ローマ時代以後発達したマキナも必ず動かすものであり可動部分を含んでいた。漢字の〈機〉はもと織機(はた)や弩(いしゆみ)であるから動的な仕掛けや〈からくり〉を指したので,machineには〈機〉の字がふさわしい。そういうわけで,たとえば箕作阮甫(みつくりげんぽ)は〈機盤〉と訳しているし,安政年間(1854-60)には〈機器〉や〈機関〉という語ができている。こうして1874年の《工学寮学課並諸規則》では〈機械〉の文字を採用したのであった(1871年の《工部省職制》では〈器械〉の文字を使っている)。以後は〈機械〉が一般化し,77年には〈機械学〉,85年には〈機械工学〉という語も用いられるようになった。

 道具と機械の相違については種々議論があるが,人力で使うのが道具で,原動機で動かすのが機械であるといえば,同じミシンや自転車が足踏みなら道具,原動機付きなら機械になってしまうことになる。ウィトルウィウスは1人の手で操作するのが道具(オルガノン)で多くの人手を要するものが器械(メカネ)だと述べているが,彼自身この定義を守っていない。1人で操作できるくさびやてこもあるからである。両者の相違は歴史的に見なければならない。

ギリシア・ローマ時代の器械は重量物の運搬装置であった。そのようなものとしては世界各地に早くから存在していて,日本でもおそらく奈良時代には滑車やろくろがあったと考えられるし,〈雲梯之機〉と呼ばれる起重機の記事が《日本三代実録》に出てくる。しかし器械としてさらに複雑になったものは,楽器と武器であった。西洋では紀元前から風笛の機械装置としてパイプ・オルガンがあってヘロンやウィトルウィウスの著書にも現れている。オルガンの誕生にはふいごが前提となるから,それ以前にポンプがなければならない。ビュザンティオンフィロン(前2世紀)には押上げポンプの記載があり,またローマ時代の揚水ポンプも発掘されているが,これはウィトルウィウスが述べているものに近い。これらのポンプは揚水用や消火用であるが,送風用のポンプがふいごである。初期のオルガンは水圧を利用して風を送るものが多かったが,風車でピストンを動かす送風機つきのオルガンの考案もあった。西洋中世ではオルガンがひじょうに発達したのでオルガヌムorganumというラテン語が〈機械〉を表す語になったほどである。メカネのもう一つの意味は武器であって,それも弩と投石器である。大型の弩は歯車やカムを用いて弦を引きしぼり最大400mの射程をもつものもあった。

 ついで重要な意義をもつのは精密機械で,その代表は機械時計である。ウィトルウィウスに出てくるのは水時計や日時計であるが,機械時計の主要素である歯車装置は彼の製粉機の記述に出てくるし,歯車の発達は早かったうえにしだいに精巧になった。原動力としておもりを利用することも紀元前から知られていたが,機械時計の製作には脱進機の発明が不可欠であった。脱進機は最初中国で水車に用いられ,1092年に水力利用の脱進機付き時計(水運儀象台)が蘇頌(そしよう)と韓公廉によって製作・完成された。ヨーロッパでも13世紀には機械時計がつくられて,1286年にはロンドンのセント・ポール大聖堂に据え付けられたのをはじめ,13世紀末から14世紀以降ヨーロッパ各地の宮殿や大聖堂・修道院に設置され,人々の生活のリズムを整えるとともに自然認識のモデルとなった。時計は本質的に天体運行の模型だったからである。

 機械の第2の重要な質的発展は原動機の登場である。単純器械としてのメカネは人力ないし畜力によるものであったが,原動力が機械によって得られれば生産上きわめて大きな役割を果たすことができる。その最初のものは水車であった。時計は情報表示装置であるからそれほど大きな動力は必要としないが,運搬や加工には大きな力が必要で,しばしば利用された畜力は人力の10倍を出すことができたが,制御が困難であったし飼料も要した。西洋では前24年に小アジアのポントスにあった製粉用水車(ヒュドラレテス)についてストラボンが述べているほか,ウィトルウィウスも記述しており,東洋では《後漢書》が鋳造に使うふいご用の水車を記述しているのが最初で,これは後31年の記事である。しかし,いずれの場合ももっと以前から用いられていたに違いない。風車が十字軍によってヨーロッパに伝えられたというのはあやしいが,9世紀にオリエントで知られていたことは事実で,ヨーロッパでは12世紀からイングランドや北フランスで広く使用され,改良をとげて重要な原動機となった。このようにヨーロッパでは13世紀に時計・風車など機械がめざましく発展し,水車が縮絨や製材などにも広く利用されたが,14~15世紀の戦争と疫病と経済不況に明け暮れた時代には,機械の発達はもっぱら軍事機械に集中した。しかし15世紀における画期的な発明は活版印刷機で,機械としてはプレスに過ぎなかったが,母型による活字の規格化や大量生産の点で後代社会に大きな影響を与えた。またクランクを用いる旋盤や水車利用の旋盤もこの世紀に始まった。

 16世紀から17世紀にかけての新しい機械の代表はポンプであった。採鉱の発展にともなって湧水のくみ上げが切実な問題になってきたからであるが,急速に成長した都市での消火用としても発達して,心臓の働きをはじめ種々の考え方のモデルとなっただけでなく,揚水機械の発達はやがて蒸気機関という新しい原動機開発の契機となった。18世紀には織物機械における飛杼(とびひ)の発明を契機として紡績機械の開発が次々に行われ,それがさらに織機の改良をもたらすなど繊維機械が新しい展開をとげて機械工業の成立(いわゆる産業革命)を見た。この作業機械の開発は動力需要を喚起して蒸気機関を新たな原動機として発達させるとともに,工作機械の発達をもたらしたのであった。蒸気機関は燃料の燃焼による熱機関であって,平地でも風のない所でも使えて工場立地を容易にし,畜力にくらべてコストを下げるのに貢献した。最初は揚水機械であったが,機械工業の成立が原動機としての活躍をうながし,往復運動を回転運動に変えて作業機の軸を駆動する機械になったのである。

 19世紀は熱機関の普及と開発および工作機械発達の時代であった。熱機関は鉄道車両や船舶の原動機としても広く用いられるようになり,19世紀後半には蒸気タービンや内燃機関などの新しい原動機も出現した。工作機械の発達は精度と速度と安定性を増し,互換性をもった規格化された部品の生産は,種々の作業機や原動機はもちろん工作機械そのものの発達に寄与した。万能旋盤が専門化してねじ切り盤,ホブ盤などを生み出したほか,フライス盤や研削盤も出現して工作機械は多様化した。規格化による大量生産は流れ作業をもたらし,複数の機械が機械体系をつくるようになった。19世紀においては,原動機と作業機を結合したものが機械のイメージであったが,20世紀に入るとラインにある機械のシステムと全システムの制御が重要な問題となった。

 20世紀には,トラクターコンバインなどの農業機械のほかローダーなどの鉱山機械,パワーショベル,ブルドーザーなどの建設機械が普及し,映画機械やガソリンエンジンの開発による自動車や飛行機の登場普及も著しく人間生活を大きく変えたが,機械発達の第3段階と言うべきものはオートメーションと呼ばれる自動化された機械体系である。サーボ機構を用いたならい盤などもオートメーションと呼ばれているが,むしろそのような機械をシステム化した複数機械の体系が重要で,工作機械の自動化体系であるトランスファーマシンがその代表である。特に20世紀後半にはコンピューターがめざましく発達して制御のための情報処理を高速大量に可能にし,オートメーションと結びついて〈ロボット時代〉と言われる段階に入った。現在は事務機械化(オフィス・オートメーション)も進行しつつあるが,家庭内にも写真機,冷蔵庫,暖房機,洗濯機,ラジオ,テレビ,録音機などの機械が普及しコンピューターも家庭向きのものが進出するなど消費生活においても機械化が急速に進んでいる。

人間の行う作業を対象化した物的手段が道具や機械や装置である。起重機は腕の延長であり自動車は足の延長といってよく,このような物的手段を媒介にして人間の物理的・化学的・空間的・時間的な限界を超えて生産活動を拡大するのが生産技術の本質であるが,古代の単純な器械や道具においては人間作業の補助手段であったものがやがて機構を組み込んだ複雑なものになり機械と呼ばれるものになったのである。この〈複雑〉とは媒介されているということであって,簡単な道具の場合には原動部(握る部分)と作業部(働く部分)が1個の固体であるのに対し,複雑な機械では両部分が分化して独立し,それぞれ原動機と作業機に分かれたうえで伝動機構によって再結合されている。伝動機構は通常は歯車,ベルト,チェーンなどであるが,これらは原動力を伝達するだけでなく,力の向きや大きさを変える役割を果たしていて制御の働きも果たしている。このような伝動機構に媒介されているということが機械の特質をなしていて,道具との相違もそこに見られる。滑車やろくろが機械と呼ばれてよいのはそのためであり,たとえ人力で動かしてもミシンや自転車はベルトや歯車機構を持っていて機械としての特質を備えている。一般にこの分化と媒介による再結合が機械発達の方向をもなしており,専門化された工作機械がコンベヤで再結合されるトランスファーマシンもそうであるし,ワットの蒸気機関の特徴が蒸気の凝縮をシリンダー内でなく分離した復水器の中で行わせることにあったこともその現れである。

 機械の定義として伝統的に〈機械とは抵抗を有する物体の組合せであって,それによって自然界の提供する各種の力学的な力に一定の運動をさせるよう作業を強制しうる配置を持ったものである〉というリューローFranz Reuleaux(1829-1905)の規定(1873)が行われてきているが,この100年前の機械概念は変わりつつある。抵抗を有する物体の配置から成る伝動機構は動力の制御においても作業の制御においても多くの制限を持っており,その後流体継手も登場したし,何よりも19世紀末からは自在に制御しうる伝動機構として電気が用いられるようになり,工作機械をはじめとする諸機械において,原動機を発電機に直結して電力によって動力を制御することが一般的になった。発電機,電動機といった電気機械が重要な部分を占めるようになってきたのである。さらに情報処理機械は機械計算機や統計機械(PCS)の段階から電子管,トランジスター,集積回路を用いる装置へと発達して,ほとんど可動部分を持たないコンピューターに到達したが,われわれはそのような装置をも機械と意識しており,現在われわれが機械と呼ぶときそれは〈情報伝達や制御機構を組み込んだシステム〉を指しているといったほうがよい。すでに19世紀から丸釜でなくなった煙管ボイラーや水管ボイラーをわれわれは単なる〈うつわ〉ではなく〈機械〉と認識してきているし,化学反応装置もシステム化され状態量の制御が行われている限りにおいて機械と呼ばれることが多くなってきている。こうしてあらゆる手段が機械化されつつあるのが現状である。

 このような機械体系の中では人間の役割が問題となる。最初は人間が動力も制御も担っていたが,第2段階の原動機の開発によってもっぱら制御が人間の仕事となった。しかし第3段階に入ると制御も機械化され,人間の仕事としては監視・保守の比重が高まってくる。それはしばしば単調な作業であって,人間作業そのものが機械的なものになる傾向をもつ。人間を人間らしくさせるための機械が人間の機械化をもたらす結果になっているのであり,機械との関係における人間のあり方が今後の課題になるであろう。さらに重要なのは社会システムが機械化されつつあることで,ここには哲学的・倫理的・政治的な問題が横たわっているが,さしあたっては機械化の方向を人間のためのものに向かわせることが現在強く期待されている。
機械論 →道具
執筆者:


機械 (きかい)

横光利一の短編小説。1930年(昭和5),《改造》に発表。ネームプレート製造の町工場に状況を限定し,そこに働く3人の男の対立,葛藤を〈私〉を語り手にして描く。この〈私〉の〈意識の流れ〉,さらには〈自分を見る自分〉としての〈自意識〉を唐草模様に織りなしたように,段落の少ない,長いセンテンスに表していることが特色。人間を〈見えざる機械〉の心理が動かしつづけてやまないという,横光の心理主義の認識が,この作で確立されたとみられる。文壇でも海外からのM.プルースト,J.ジョイスらの新心理主義が紹介されつつあった時期で,それらをいち早く採り入れての先駆的な実験が示された作として評価された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「機械」の意味・わかりやすい解説

機械【きかい】

機械の概念は時代とともに大きく変わってきているが,その定義として有名なのは,F.ルーローが19世紀末に与えたものである。それによると機械とは,〈1.力に対して抵抗力のある物体の組合せであって,各部分は所定の相対運動を行い,2.人間に有用な仕事を行うもの〉である。たとえば自動車のエンジンは条件1.2.とも満足している。のこぎりやかなづちは構成部分の間に相対運動がないので機械とはいわない(道具と呼ぶ)。また各種の測定器や計器は直接有用な機械的仕事を行うものではなく,知的官能の補助手段であるから,器械または器具と呼んで区別する。 しかし近年の科学技術の進歩でこの定義からはみ出すものも多くなってきたため,現在ではより広義に,〈物理量を変形したり伝達したりするもので,人間に有用なもの〉という定義が与えられるようになった。機械は,種々の機械要素によって構成され,機構の組合せで所望の運動を導き出す。通常,1.蒸気,水,電気などのエネルギーを機械的エネルギーに変える原動機,2.機械的エネルギーを受けて諸種の有用な機械的仕事を行う作業機械,3.両者の間に動力や運動を伝達する伝達装置,に大別される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「機械」の意味・わかりやすい解説

機械
きかい
machine

機械の定義は時代とともに変遷している。 1960年代頃までは,使用中に受ける外力,温度,その他に耐えうる物体の結合・組合せから成り,それらのうちの特定部分が一定の相対運動を行なって,外部から与えられたエネルギーを所要の仕事に変換するものとされてきた。しかし,この定義では最近のコンピュータ,ティーチングマシン,人工臓器 (特に腎臓) などの新しい機械を含めることができなくなっている。そこで最近では,機械を広く解釈して「人間に有用な目的を達成するために,物体を組合せてつくり,これらの各部に所定の機能を与え,全体の機能を実現させたもの」とされている。このような最近の定義によれば,ほとんど動く部分のない電話機,テレビ受像機,トランシーバなども機械に含まれる。機械が目的とする機能に着目した場合,エネルギー源から力を取出して動力を発生させるものを動力機械,作業一般を行うものを作業機械,コンピュータを用いて知的な判断や動作を伴うものを知能機械と呼ぶ。作業機械は,さらに用途により工作機械,荷役・運搬機械,繊維機械,化学機械,建設機械,鉱山機械,交通機械,農業機械,水産機械,事務機械,その他に分類され,それぞれがまた専門化している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「機械」の読み・字形・画数・意味

【機械】きかい

巧妙な構造をもつ器具。からくり。武器。〔韓非子、難二〕計にらかに、地形に審らかならば、舟車械の利、力を用ふること少なくして、功を致すこと大ならん。則ち入るもの多し。

字通「機」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の機械の言及

【機構学】より

…機械の構成に関する理論を取り扱う学問。一般に機械と呼ばれるものは相対運動をするいくつかの部分から成っているので,その相対運動の性質を研究し,これを機械の設計に役だてるのが機構学の目的である。…

【道具】より

…同様に装飾品もその始めは呪術的意味を担っていたので,この意味での祭具に属し独特の発達をとげた。 他方,生産のための道具は,動力の伝達と制御を効率よくするために握る部分(動力が与えられる部分)と,作用する部分(作業をする部分)とが分化して伝動装置が間に入ることにより機械となった。ここ200年ほどの間に機械は急速に発達したが,かといって道具がなくなってしまったわけではない。…

【労働】より

…ここでは,労働は一挙に人間の主体的な意識にリードされた対象的活動となる。労働を,労働者が,労働手段(道具)を用いて,労働対象を加工し,生産物に仕上げていく活動であるととらえる常識的な図式は,古代の農夫の労働や,機械のシステムに組み込まれた今日の労働よりも,むしろ,手工業職人の労働の記述に最もふさわしいことを注意しておきたい。 手工業に基礎をおいた社会を理解するためにたいせつなことは,仕事能力と人間との一体性である。…

※「機械」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android