ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トマス鋼」の意味・わかりやすい解説 トマス鋼トマスこうThomas steel 塩基性鋼の一種。トマス転炉 (塩基性転炉) でつくられた鋼。機械的切削性がよく,特に軟鋼として良好な鍛接性,熱間変形性などの長所をもつ。炉の裏付けや炉壁に塩基性の材料 (マグネサイト,ドロマイトなど) を用い,製鋼原料に石炭を混入して製鋼する。酸性製鋼法の一種であるベッセマー法は低リンの銑鉄を利用し,操作も煩雑で,またリン,硫黄の除去が不十分であるなどの難点があった。塩基性製鋼法 (塩基性ベッセマー法またはトマス法) はこれを改良したもので,高リン銑鉄から良好な軟鉄を製造することができる。 (→転炉鋼 ) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by