トラクトリックス(読み)とらくとりっくす(その他表記)tractrix

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トラクトリックス」の意味・わかりやすい解説

トラクトリックス
とらくとりっくす
tractrix

平面曲線一つ追跡線ともいう。xy座標についての方程式

で表される曲線。曲線上の任意の点Pで接線を引き、x軸との交点をTとするとき、線分PTの長さ(これを接線の長さという)が一定値aであるような曲線が、この曲線である。x軸上を走って逃げる獲物をねらいながら一定の距離を保って追跡するとき描かれる曲線である。

[竹之内脩]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のトラクトリックスの言及

【カテナリー】より

…双曲線余弦関数のグラフで表される曲線をカテナリー,または懸垂線という。これは放物線yx2/(4a)がx軸上をすべらずに転がるときにその放物線の焦点の描く図形であり,また,A(0,a)にあるおもりを長さaの糸でx軸上に引いていくときにそのおもりの描く曲線(これをトラクトリックスtractrixという)の曲率中心の描く図形でもある。密度一様な糸の両端を支えて重力の場につり下げるときの糸はこの曲線の形状をとる。…

【曲線】より

…この曲線のAからでる伸開線の方程式はである。この曲線をトラクトリックスtractrixという。この曲線上の点Pにおける接線とx軸との交点をQとすれば,PQの長さはつねにaである(図20)。…

※「トラクトリックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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