日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリスル山」の意味・わかりやすい解説
トリスル山
とりするさん
Trisul
ガルワール・ヒマラヤ山脈南東部にある山。ナンダ・デビ山(7816メートル)を囲んで大きな外郭の輪を描く山群の南にそびえる。標高7120メートル。ナンダ・デビ山の衛星峰中の最高峰である。トリスルとは、ナンダ・デビ(ナンダの女神)を外敵から守護する「三叉(さんさ)の鉾(ほこ)」を意味する。トリスル山は三峰からなり、トリスル第一峰の南に延びた尾根上に第二峰(6690メートル)、第三峰(6008メートル)と続く。トリスル第一峰は1907年イギリスの登山家ロングスタッフによって初登頂されたが、これがヒマラヤで最初に登られた7000メートル峰であった。なおトリスル第二峰は1960年、第三峰は76年、いずれもユーゴスラビア隊によって初登頂された。
[金子史朗]