トルテカ・マヤ文化(読み)とるてかまやぶんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トルテカ・マヤ文化」の意味・わかりやすい解説

トルテカ・マヤ文化
とるてかまやぶんか

古代メキシコ、後古典期の初めの、トルテカ様式の特徴を強くもったマヤ文化。ユカタン地方のマヤ人の伝承によれば、987年ククルカン(ケツァルコアトルのマヤ名)に率いられた大軍勢が侵入、マヤの諸都市を滅ぼし、チチェン・イツァーに都を建設したという。トルテカ人の伝承でも、ケツァルコアトル王が内紛に敗れて東の海上へ去ったとあり、ユカタン半島に上陸したのはトルテカ人の一派と考えられる。事実、チチェン・イツァーとトルテカ文化の中心地トゥーラとの間には、列柱の建物と戦士の神殿、チャクモルとよぶ石彫、蛇の形をしたケツァルコアトル、ジャガー浮彫り頭骨を多く並べた彫刻をもつツォンパントリの基壇のほか、征服戦争の壁画のあるジャガーの神殿、トルテカ風の戦士を浮彫りした球戯場など、文化諸相に著しい類似がみられる。チチェン・イツァー付近の泉からは、征服の図を打ち出した黄金製円盤も発見されている。

[大貫良夫]


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