ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユカタン半島」の意味・わかりやすい解説
ユカタン半島
ユカタンはんとう
Península de Yucatán
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メキシコ東部にあり、メキシコ湾とカリブ海を分ける半島。大部分はメキシコ領ユカタン州、カンペチェ州、キンタナ・ロー州であり、南部はベリーズとグアテマラに属する。面積は18万平方キロメートル。低平な石灰岩地域で、地表を流れる河川は少なく、地下に浸透した雨水が巨大な鍾乳洞(しょうにゅうどう)をつくりマヤの遺物を残していた所もある。セノーテとよばれる天然の井戸は貴重で、チチェン・イツァー遺跡のセノーテは有名である。北西部は雑木林が広がるが、南東に行くにつれ熱帯雨林となっている。沿岸にはサンゴ礁の島が多く、コスメル島、ムヘレス島、カンクンなどはレジャー基地で、マイアミやメキシコ市と直行便で結ばれている。マヤ文明の地で遺跡が多く、ピラミッドや天文台などが観光資源となっている。19世紀末ごろからヘネケンが風車で揚水して栽培されており、サイザル麻としてユカタン州の州都メリダで集散され、シサル港より輸出される。また、バスケット、ハンモックなどの民芸品に加工され販売される。
[高木秀樹]
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