トレーサビリティー(読み)とれーさびりてぃー(その他表記)traceability

翻訳|traceability

デジタル大辞泉 「トレーサビリティー」の意味・読み・例文・類語

トレーサビリティー(traceability)

《跡をたどることができることの意》農産物・食品・医薬品・工業製品などの商品やその原材料部品などを個別に識別し、生産から加工流通販売廃棄までの過程を明確に記録することによって、商品からさかのぼって履歴情報を確認できるようにすること。また、そのシステム生産履歴管理システム。→牛肉トレーサビリティー法

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「トレーサビリティー」の解説

トレーサビリティー

食品がいつ、どこで作られ、どのような経路食卓に届いたかという生産履歴を明らかにする制度で、trace(追跡)とability(できること)とを組み合わせた言葉。食の安全を脅かす事件が多発したことを契機に、政府は消費者の信頼回復のため、農産畜産物などに同制度の適用を検討。BSEの発生に対応して2003年、牛肉トレーサビリティー法が成立。すべての牛には出生時に個体識別番号が付けられ、インターネット検索でも牛の履歴(飼料や衛生管理実績を含めて)が分かる。04年には店頭で販売される牛肉すべてに、識別番号を付けることが義務化された。他の食品に対しても今後、適用していく見通し。

(的場輝佳 関西福祉科学大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android