トン・のがれる・はしる・うしなう

普及版 字通 の解説


13画

[字音] トン
[字訓] のがれる・はしる・うしなう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は盾(とん)。〔説文〕二下に「(うつ)るなり」とし、また「一に曰く、(のが)るるなり」とあり、〔広雅、釈詁二〕に「去るなり」、〔広雅、釈詁三〕に「くるなり」の訓がある。〔左伝、僖二十八年〕に「柴を曳(ひ)きて僞りる」とあり、砂塵に紛れて走する意。とは、盾で防ぎながら退く意であろう。字はまた遯に作る。

[訓義]
1. のがれる、さける、うつる、にげる、はしる。
2. かくれる、うしなう。
3. あざむく。

[古辞書の訓]
名義抄 ノガル・サル・カクル・ハビコル・ヨル・マヌガル・マフ 〔字鏡集〕 ノガル・ハシル・シリゾク・アフ・ヨシ・メグル・マヌガル・ハビコル・カクル・カヘル・ホカフ・ニグ・サル

[語系]
・遯dunは同声。sunは声義近く、〔説文〕二下に「るるなり」とあり、また一系の語である。語彙は遯(とん)字条参照。

[熟語]
退
[下接語]
・隠・火・驚・徙・逡・水・棲・潜・鼠・退・逃・敗・逋・奔・夜・幽・離

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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