改訂新版 世界大百科事典 「ドクシアディス」の意味・わかりやすい解説
ドクシアディス
Constantinos A.Doxiadis
生没年:1913-75
ギリシアの建築家,都市計画家。ギリシア人の両親のもとにブルガリアに生まれ,アテネで教育を受ける。第2次大戦の前後を通じ,住宅省大臣などギリシアの都市・広域計画担当各局の責任者や国連のコンサルタントを歴任。一時亡命し,帰国後に都市計画事務所ドクシアディス・アソシエーツを設立。中近東諸国の都市計画を手がける一方,主宰誌《エキスティックスEkistics》や著書の中で独自の都市理論を発表。都市の発展軸を一方向に導き成長をコントロールしていく〈ダイナポリスDynapolis(動的都市)〉構想や,都市の拡大が地球全域に達し安定化した静的状態にいたる道すじを説く〈エクメノポリスEcumenopolis(世界都市)〉理論など,未来都市の形態を提言した。主著に《エキスティック・アナリシス》(1946),《新しい都市の未来像The New World of Urban Man》(1965,邦訳同年),《エントピアEntopia》(1966,邦訳1967)がある。
執筆者:黒川 直樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報