ドブルジャ(その他表記)Dobrudza

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドブルジャ」の意味・わかりやすい解説

ドブルジャ
Dobrudza

ルーマニア語ではドブロジア Dobrogea。ドナウ川下流部と黒海とにはさまれた地域の歴史的名称。北部はルーマニア領,南部はブルガリア領。主要都市はルーマニア領のコンスタンツァとブルガリア領のトルブーヒン。ローマ,ビザンチン帝国の支配を経て,12~14世紀にはブルガリア帝国領,のちトルコ領となり,19世紀後半の露土戦争後,1878年に北部はルーマニア,南部はブルガリアの領有となった。 1913年,第2次バルカン戦争によりルーマニアは南ドブルジャを併合。以後同地はルーマニア,ブルガリア両国間の紛争の種となったが,第2次世界大戦中の 40年9月にブルガリアに返還された。オオムギコムギトウモロコシなどの穀物と工業用作物の栽培が盛んで,ヒツジなどの飼育も行われる。ルーマニア領では特に漁業が重要。第2次世界大戦後は工業化が各地で進み,セメント,肥料,造船,食品加工などの工場が立地する。

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世界大百科事典(旧版)内のドブルジャの言及

【ドブロジャ】より

…現在はルーマニア領とブルガリア領にわかれている。ルーマニア語ではドブロジャ,ブルガリア語ではドブルジャDobrudzhaという。地形は北部は低い山脈(最高峰は467m),丘陵地帯,デルタ地帯から成っているが,南部には丘陵と平地がひろがっている。…

※「ドブルジャ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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