ナカリピテクス(その他表記)Nakalipithecus

改訂新版 世界大百科事典 「ナカリピテクス」の意味・わかりやすい解説

ナカリピテクス
Nakalipithecus

ケニアのナカリ地方から発見された約1000万年前の大型化石類人猿。2007年に國松豊らによって記載された。ナカリピテクス・ナカヤマイN.nakayamai1種を含む。属名は発見地近くのナカリ山,種小名は地質学者の中山勝博(ケニアでの地質調査に貢献したが,2001年ナイロビ近郊で交通事故死)にちなむ。下顎骨と遊離歯が発見されており,かたちの特徴から強力な咀嚼能力が伺われ,硬く歯をすり減らしやすい食物を食べていたと考えられる。犬歯大臼歯の特徴は,やや新しい時代のギリシアで知られているウーラノピテクスOuranopithecusに似ている。その一方で,ウーラノピテクスに比べれば,硬い食物への適応の程度が弱いこと,古い時代の化石類人猿がもっている大臼歯舌側の歯帯が残存することなどから原始的な特徴があり,このグループがユーラシアへ分布域を広げ,ウーラノピテクスを誕生させた可能性が唱えられている。
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関連語 中務 真人

最新 地学事典 「ナカリピテクス」の解説

ナカリピテクス

学◆Nakalipithecus nakayamai

中新世後期初頭(980万年前)の東アフリカに生息していた化石大型類人猿。種小名はnakayamai。まだ標本数は限られているがヒト・チンパンジー・ゴリラの共通祖先に近い可能性がある。大臼歯の咬頭こうとうが低く,厚いエナメル質で覆われていることから堅い食物や噛み切りにくい食物を咀嚼そしやくする必要があったと考えられる。共伴する哺乳類化石の安定同位体やメソウェア分析から,一部に開けた環境を含むが比較的樹木の多い生息環境が推定される。

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