ウーラノピテクス(その他表記)Ouranopithecus

改訂新版 世界大百科事典 「ウーラノピテクス」の意味・わかりやすい解説

ウーラノピテクス
Ouranopithecus

後期中新世のギリシア,トルコから発見された大型の化石類人猿。2種が知られ,960万~870万年前のギリシアのウーラノピテクス・マケドニエンシスO.macedoniensisは,当初ドリオピテクス属Dryopithecusとして記載されたが,1977年にL.ドゥボニとJ.メレンティスによって,新属ウーラノピテクスに移された。属名はギリシア神話の神ウラヌスにちなむ。2007年には,E.ギュレッチらによってトルコから発見された900万年前よりも新しい同属種ウーラノピテクス・トゥルカエO.turkaeが記載された。ウーラノピテクスは,非常に厚いエナメル質と著しい退縮した犬歯,アフリカ類人猿に似た顔面頭蓋をもつ。系統的位置づけについては,議論が混乱している。歯牙に見られるアウストラロピテクス類との類似性は,堅い食物や歯を咬耗させやすい食物摂取に関連した収斂とする考えが優勢である。ケニアのナカリで発見された,やや古いナカリピテクスNakalipithecusの子孫種である可能性も議論されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 中務 真人

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む