日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニホンコウジカビ」の意味・わかりやすい解説
ニホンコウジカビ
にほんこうじかび
[学] Aspergillus oryzae (Ahl.) Cohn
不完全菌類、モニリアキン目コウジカビ属に属するカビ。コウジキン(麹菌)とよんだ場合は本菌をさすことが多い。日本においては清酒、みりん、甘酒、みそ、しょうゆの醸造用、オリーゼチーズの発酵用のほか、コウジカビ酵素剤として医薬品・工業用薬品にも使われる有用なカビである。ニホンコウジカビには、それぞれの利用面に応じた好適品種がある。なお、類似菌に黄色(おうしょく)アスペルギルスA. flavusがあるが、区別のむずかしいものもある。また、両者はAspergillus flavus-oryzaeとして一群にまとめられる。
[曽根田正己]