ニンポー特別市(読み)ニンポー(その他表記)Ningbo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニンポー特別市」の意味・わかりやすい解説

ニンポー(寧波)〔特別市〕
ニンポー
Ningbo

中国華東地方,チョーチヤン (浙江) 省東部,ハンチョウ (杭州) 湾南岸の湾口付近にある特別市。ヨン (甬) 江支流のヤオ (姚) 江とイン江との合流点にある。ニンポー市区のほかユイヤオ (余姚) 市など3市とシヤンシャン (象山) 県など3県から成る。春秋時代に越のぎん邑として開け,唐代には明州の治所となって,日本の遣唐使船も入港した。宋代には河口のチェンハイ (鎮海) に外港がおかれ,日本,東南アジア,アラビアなどとの貿易でにぎわい,明代には日本の勘合船の入港地となっている。 1842年南京条約で開港されたが,シャンハイ (上海) に繁栄を奪われた。省北部の工業都市の一つで,綿紡織,食品加工,機械,プラスチック,電池などの工業が盛ん。チョーカン (浙 贛) 鉄道のシヤオシャン (蕭山) と支線で結ばれる。付近にはアーユイワン (阿育王) 山,ティエントン (天童) 山などの名勝や,明代の蔵書家范欽の書庫天一閣がある。周辺地域はワタの主要産地であり,丘陵部では茶,タバコの栽培が盛ん。ユイヤオ市のアントン (庵東) を中心とした地域では製塩が行われる。シヤンシャン県は蛍石の産地。人口 509万 897,うち市区人口 114万 2432 (1990) 。

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