ヌナブト准州(読み)ヌナブト(その他表記)Nunavut

翻訳|Nunavut

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌナブト准州」の意味・わかりやすい解説

ヌナブト〔准州〕
ヌナブト
Nunavut

1999年4月に発足したカナダの新准州。州都はイカリット (フロビッシャーベイ) 。 91年,カナダの先住民族イヌイット Inuit (→エスキモー ) とカナダ連邦政府との土地補償交渉が基本的な合意をみ,ノースウェスト准州東部を分割し新准州「ヌナブト」とする協定が作成された。 92年住民投票による支持を得たのち,93年連邦議会の承認を受けて設置が確定した。新准州は北極圏東部の約 200万 km2にわたり,人口は約2万 5000人,このうち約 85%がイヌイットであり,新准州議会への管轄権の移譲後には,カナダ史上初の多数派イヌイットによる先住民自治が実現した。協定は,イヌイットに対し 35万 km2の土地所有権を認め,新准州全域における狩猟・漁業権,地表鉱物資源占有権 (3万 6000km2分) を保障し,さらに 14年間にわたり 11億 5000万ドルの補償金の支払いを認めている。ちなみにヌナブトとは,イヌイットの言葉で「われらの大地」の意。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android