日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネジド」の意味・わかりやすい解説
ネジド
ねじど
Nejd
サウジアラビア中央部にある岩石砂漠の高原地帯。平均標高800メートル、面積115万8000平方キロメートル。イスラム教ワッハーブ派の発祥地、国王一族の出身地で、首都のリヤドがある。地形は西に高く東に緩やかで、北西部にシャンマル山地、東部にトゥワイク山地が横たわる。トゥワイク山地西部には石灰岩層に沿って急崖(きゅうがい)が形成され、その崖(がけ)下にはオアシスやワジ(涸(か)れ川)がある。リヤドはこの地方最大のオアシスで、トゥワイク山地中央の湾曲部に位置する。リヤド、ウナイザ、ブライダなどのオアシスでは、ナツメヤシ、イチジク、オレンジなどの果物が栽培されるが、他の地域ではおもに遊牧が行われる。年降水量は170ミリメートル前後で、夏の日中気温は45℃を超えることが多いが、冬には最低気温が0℃近くになる。
[片倉もとこ]