化学辞典 第2版 「ネレンベルクの偏光器」の解説
ネレンベルクの偏光器
ネレンベルクノヘンコウキ
Nörrenberg's polariscope
偏光子としてガラスの偏光角を利用した偏光器.物体の力学的なひずみとリターダンス(偏光成分の位相の相対的なずれ)の関係を利用した光学的な試験法に光弾性解析がある.一般に光弾性解析法では,試料としては透明で高い光弾性定数をもつ必要がある.この場合に必要な装置の中心部は偏光器であって,これは照明装置と一対の偏光子と,試料を偏光子の間に保持する装置とからできている.いろいろな偏光器がつくられている.ネレンベルクの偏光器は図のようになっている.Aはガラス平面板で,装置の軸dcに対して33°(ガラスの偏光角57°を90°から引いた角)に傾き,偏光子となる.すなわち,Aに対して入射角が57°であるabの方向に光を入れると,反射光は直線偏光となってbcに進み,鏡Mで反射されてbを通り試料Sを経てdに進む.Nは検光子として用いられる黒色の平面鏡である.この装置を改良したものは,大形のガラスのひずみの検査に利用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報