ネーデルラント通商会社(読み)ネーデルラントつうしょうかいしゃ(その他表記)Nederlandsche Handel-Maatschappij

改訂新版 世界大百科事典 「ネーデルラント通商会社」の意味・わかりやすい解説

ネーデルラント通商会社 (ネーデルラントつうしょうかいしゃ)
Nederlandsche Handel-Maatschappij

ナポレオン戦争後,ジャワ島をはじめとする旧東インド植民地はオランダに返還されたが,この植民地貿易を,廃止された東インド会社に代わってオランダの手に確保する目的で,国王ウィレム1世のイニシアティブの下に1824年設立された株式会社。同社はイギリスと競争しながら植民地貿易をしだいに取り戻し,とりわけ34年からジャワ島で砂糖,コーヒー,アイなどの強制栽培制度が実施されると,これら植民地物産のヨーロッパへの輸出・販売を担当し,他方,植民地向け繊維品の買付けを通じて,トウェンテ地方(オランダ東部)の綿工業の育成に貢献した。また,東インド会社廃止後政府直営となった対日貿易も代行。70年に強制栽培制度が廃止されてからは予期した成果を上げえず,しだいに産業金融や銀行業務に重点を移した。1964年トウェンテ銀行Twentsche Bankと合併,オランダ一般銀行Algemene Bank Nederlandとなる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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