改訂新版 世界大百科事典 「はないちもんめ」の意味・わかりやすい解説
はないちもんめ
子どもの遊戯の一種。横に一列に並んで向かい合った2組が,はやしことばを歌いながら前後に歩き,互いに相手の1人を指名し,じゃんけんで負けたものが相手に取られて組み入れられ,いずれかの組がいなくなれば終わる。歌は地方によって異なるが,一例をあげれば〈勝ってうれしいはないちもんめ 負けてくやしいはないちもんめ あかさとまとめてはないちもんめ ふるさとまとめてはないちもんめ あの子がほしい あの子じゃわからん……〉。〈はないちもんめ〉の意味は不明である。〈たんすながもちどちらが欲しい〉ということばが入ったり〈となりのおばさんちょっと来ておくれ 鬼がいるからいかれません〉のような歌もある。19世紀前半の《守貞漫稿》には〈子を買う子買お どの子がほしい云々〉〈むこうのおばさんちょとおいで おにがこわくてゆかれません〉などのことばをうたう遊びが記載されている。きわめて古くから発展してきた鬼ごっこの一種といえよう。
執筆者:半澤 敏郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報