近世後期の風俗誌。喜多川守貞著。30巻,後篇4巻。絵入。別名《近世風俗志》。刊行されることなく原稿で伝わったが,原稿には〈漫〉ではなく〈謾〉の字が用いられている。1837年(天保8)起稿,1853年(嘉永6)脱稿,1867年(慶応3)加筆。内容は,時勢(巻1),地理(巻2),家宅(巻3),人事(巻4),生業(巻5.6),雑業(巻7),貨幣(巻8),男扮(巻9),女扮(巻10・11・12),男服(巻13・14・15),女服(巻16・17),雑服(巻18),織染(巻19),妓扮(巻20),娼家(京坂,巻21),娼家(江戸,巻22),音曲(巻23),雑劇(巻24),沐浴(巻25),春時(巻26),夏冬(巻27),遊戯(巻28),笠(巻29),傘履(巻30),食類(後篇巻1),遊戯(巻2),駕車(巻3),雑器(巻4)。近世風俗研究に欠くことのできない文献である。
執筆者:朝倉 治彦
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江戸末期の喜田川守貞による風俗誌的な随筆。守貞は江戸に14年、大坂に30年間居住し、その間に見聞した京坂、江戸の風俗、民間の雑事を詳細に図説考証して書きまとめた。これは1837~1853年(天保8~嘉永6)にわたるものだが、その後慶応(けいおう)(1865~1868)末年まで追書、訂正が施されている。時勢、家宅、人事、生業、貨幣、男服、女服、織染、妓扮(ぎふん)、娼家(しょうか)、音曲、雑劇、沐浴(もくよく)、遊戯、笠(かさ)、食類、駕車(がしゃ)、雑器などの項分けをした30巻余りのもの。江戸時代、とくに後期の風俗を知るうえで貴重な資料であり、1908年(明治41)に『類聚(るいじゅう)近世風俗志』と題して刊行された。
[山内まみ]
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