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遊戯 ゆうぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遊戯
ゆうぎ

主として子供の遊びのこと。遊戯のうち,古くから伝えられたものの大部分大人の行事のまねごとから始っているし,子供が大人へと成長する過程で欠くことのできないものでもあった。起源は宗教的行事に発したものも多い。鬼ごっこ綱引きままごとなどはいずれも現実の宗教行事として同形式の所作が行われていた。今日,新しく生れる遊戯はむしろ道具を売る商業資本によってつくられるものが多く,流行の盛衰が激しい。

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デジタル大辞泉の解説

ゆう‐ぎ〔イウ‐〕【遊戯】

遊びたわむれること。遊び。「言語遊戯
幼稚園・小学校などで、運動や社会性の習得を目的として行う集団的な遊びや踊り。「お遊戯

ゆう‐げ〔イウ‐〕【遊戯】

ゆうぎ(遊戯)1」に同じ。
「どこか―の趣を備えているのは」〈中島敦・悟浄歎異〉

ゆ‐げ【遊戯】

《古くは「ゆけ」》
仏語。心にまかせて自由自在に振る舞うこと。遊化(ゆけ)。
遊び楽しむこと。ゆうぎ。
「九重の宮の内に―し給ふこと」〈栄花・本の雫〉
楽しく思うこと。喜ぶこと。
「翁(おきな)、今十、二十年の命は今日のびぬる心地し侍ると、いたく―するを」〈大鏡・後一条院

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうぎ【遊戯】

遊戯を〈ゆうぎ〉と読むのは明治時代以降のことで,それ以前は〈ゆげ〉あるいは〈ゆうげ〉と読んだ。もともと遊戯の字は,いっさいの束縛を脱して自由自在の境地にあることを意味する仏教用語として伝来したもので,その意味では,神と交わることを原義とする〈あそび〉と区別される。しかしあそびも遊戯も日常用語としてその意味内容が峻別されたわけではなく,長く同意異語として使用され,今日に至っている。
[遊戯論の歴史]
 遊戯に対する古代の知的関心は教育論に集中している。

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大辞林 第三版の解説

ゆうぎ【遊戯】

( 名 ) スル
遊びたわむれること。あそびごと。
幼稚園や小学校などで子供たちが行う、音楽に合わせた踊りや運動。おゆうぎ。

ゆうげ【遊戯】

( 名 ) スル
ゆうぎ(遊戯) 」に同じ。 「乃翁だいおう請ふ来て児と共に-せよ/花柳春話 純一郎

ゆげ【遊戯】

〔「ゆけ」とも〕
心にまかせて遊び楽しむこと。 「伎楽を調べて-すること限りなし/今昔 1
楽しく思うこと。 「いたく-するを、みきく人々、をこがましくをかしけれども/大鏡 後一条
〘仏〙 仏、菩薩、また悟りの中にいる修行者が、自由自在にふるまうこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遊戯
ゆうぎ
play英語
Spielドイツ語
jeuフランス語

遊戯は、労働、権力(闘争)、愛、死と並ぶ人間の根本現象の一つであり、他の現象から導出することのできない独特の存在性格を有しており(E・フィンク)、多くの思想家が遊戯について考察している。
 遊戯の定義・分類について、文化は遊戯のなかで生まれたと考えるホイジンガは、自由、非日常性、没利害性、時間的・空間的分離、規則性によって遊戯を定義しているし、また、カイヨワは遊戯を社会学的に分類した。それについては、項目「遊び」で触れているので、参照してほしい。[大石昌史]

遊戯をめぐるいくつかの思想

ほかに、具体的な現象としての遊戯を考察の対象とするのではなく、遊戯を人間あるいは世界の本質的なあり方とみなす思想家もいる。古くは荘子が、自然に従って何ものにもとらわれることのない自由の境地、いわば人間と世界とが一つになった状態を「遊」と表現している(『荘子』)。またプラトンは、人間にとって最善の生き方は、「神の玩具(がんぐ)」という役割に従って、このうえもなく美しい遊戯を楽しむことである、とした(『法律』)。近代の思想家のなかでは、シラーが、構想力と悟性の遊動(遊戯)を美的判断の根拠とするカントを受けて、対象を受容しようとする素材衝動と対象を規定せんとする形式衝動がともに働く「遊戯衝動」が美を生み出すとし、また、美と遊ぶときにのみ人間は完全なものとなる、としている(『人間の美的教育について』)。またニーチェにおいては、ヘラクレイトスの「パイス・パイゾーン(遊ぶ子供)」の断片(52)の解釈を通じて、世界は善悪の彼岸において創造と破壊の遊戯を戯れるもの、と考えられた。彼によれば、ギリシア悲劇は、根源的芸術家ディオニソスの遊戯であり、アポロン的仮象(美しい夢)を通じての世界の自己救済の姿なのである(『悲劇の誕生』)。
 ここにあげた思想はいずれも、遊戯のもつ自由な活動性、非日常性等を反映しており、遊戯が自然、神、美、そして世界の根源に接する現実超越的な行為であることを示している。[大石昌史]

祭祀、遊戯、芸術

祭祀(さいし)、遊戯、芸術は、その客観的形態(なんらかの行為の「再現」であるという点)においても、現実を超越するという主観的体験においても類似するところが多く、その起源において一つであったことが広く主張されている。また、西洋近代語の「遊戯」は同時に「演技」「演奏」を意味し、遊戯と芸術との密接な関係を示している。しかし、これら三者は以下の点で区別される。
 遊戯と芸術は、祭祀の内にある行為の「再現」という性格から生まれたものではあるが、祭祀が豊作や降雨を祈願する他目的的行為であるのに対して、遊戯や芸術においては「再現」が自己目的化している点で、祭祀とは異なる。また、遊戯と芸術とは、芸術においてはさしあたっては創作者と享受者とが分離し、作品を媒介とした両者の社会的コミュニケーションが成立するのに対して、遊戯においては両者の分離が存在せず(行為する者と見る者とが一つになっている)、作品も生み出されないことから、社会的コミュニケーションが成立しないという点で異なる(渡辺護(まもる)『芸術学』)。それゆえに遊戯は純粋に自己目的的行為であり、そこにおいて社会的分化(分業)が成立する以前の自然の共同体(コミューン)の意識が体験されうる場なのである。[大石昌史]
『F・シラー著、石原達二訳『人間の美的教育について』(『美学芸術論集』所収・冨山房百科文庫) ▽F・ニーチェ著、秋山英夫訳『悲劇の誕生』(岩波文庫) ▽ホイジンガ著、高橋英夫訳『ホモ・ルーデンス』(中公文庫) ▽ロジェ・カイヨワ著、多田道太郎・塚崎幹夫訳『遊びと人間』(講談社文庫) ▽E・フィンク著、石原達二訳『遊戯の存在論』(1971・せりか書房) ▽E・フィンク著、千田義光訳『遊び――世界の象徴として』(1976・せりか書房)』

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