日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハナガササンゴ」の意味・わかりやすい解説
ハナガササンゴ
はながささんご / 花傘珊瑚
[学] Goniopora planulata
腔腸(こうちょう)動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イシサンゴ目ハマサンゴ科に属する海産動物。この類はインド洋、太平洋に約40種が知られ、6+6+12の3環列24枚の発達した隔壁をもつことによってハマサンゴ科のほかの属から区別される。この種は群体骨格は塊状で、莢(きょう)は多角形で径は約3ミリメートル、莢孔は1、2ミリメートルの深さである。色彩は褐色で、3、4センチメートルの柄(え)の長いポリプを出す。触手は24本で口盤はやや凸状で白色である。昼間ポリプを伸ばして活動する。千葉県館山(たてやま)湾以南の水深1~10メートルの岩礁地に普通にみられる。近縁種に莢径が5ミリメートル、莢孔の深さが4ミリメートルと大きなオオハナガササンゴG. tenuidensがある。
[内田紘臣]