ハンガリー舞曲(読み)はんがりーぶきょく(その他表記)Ungarische Tänze

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンガリー舞曲」の意味・わかりやすい解説

ハンガリー舞曲
はんがりーぶきょく
Ungarische Tänze

ドイツの作曲家ブラームスロマ(かつてはジプシーとよばれた)の音楽をピアノ連弾用に編曲した舞曲集。全21曲。ハンガリーのバイオリン奏者エドゥアルト・レーメニイに刺激されてロマの音楽に興味をもち、これを収集・整理していたブラームスは、1869年、それまでに完成していた10曲の編曲をまとめて出版し、これが大好評を博したため、さらに80年にも続巻を刊行した。作曲家自身も「編曲」と位置づけているように完全なオリジナル作品ではないが、ロマ特有の旋律リズムは、当時の社会に流行していた土俗的なものに対するあこがれを満たし、また家庭音楽会に適したピアノ連弾曲ということもあって、広く親しまれるところとなった。とりわけ第五番嬰(えい)ヘ短調と第六番変ニ長調が有名である。

[三宅幸夫]

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世界大百科事典(旧版)内のハンガリー舞曲の言及

【ブラームス】より

…ブラームスは自国の民謡ばかりでなく,他のさまざまな国の民俗音楽も数多く収集し研究して創作の糧とした。12集にのぼるドイツ民謡の編曲や全4集21曲からなるピアノ連弾のための《ハンガリー舞曲》(1852‐69)はそのような成果の一例である。事実,彼の声楽曲はもとより,器楽曲の多くの主題やモティーフのなかに民謡風な性格が見いだされる。…

※「ハンガリー舞曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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