ハンバリー学派(読み)はんばりーがくは

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンバリー学派」の意味・わかりやすい解説

ハンバリー学派
はんばりーがくは

イスラム教スンニー派の四大法学派の一つ。イブン・ハンバルを学祖とする。10世紀中ごろまではバグダードを中心として栄えた。その後13世紀にシリアに、イブン・タイミーヤ(1263―1328)、その弟子のイブン・カイイム・アルジャウジーヤなどの法学者が出たが、しだいに衰退していった。現代では四大法学派のなかではもっとも勢力が弱い。18世紀にアラビア半島でおこったワッハーブ派は、この派に属していたので、サウジアラビアではハンバリー学派が支配的である。この学派は、類推キヤース)を極力排除し、コーランスンナムハンマド言行によって指示された聖なる慣行)のみを法源とする伝統主義の立場をとって、思弁神学や神秘主義に反対した。

[竹下政孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android