慣行(読み)カンコウ(その他表記)practice

翻訳|practice

デジタル大辞泉 「慣行」の意味・読み・例文・類語

かん‐こう〔クワンカウ〕【慣行】

古くからの習わしとして行われていること。「慣行にならう」
ふだん、習慣として行うこと。
[類語]習い習わし仕来しきた慣例常例定例通例恒例世の常世の習い例によって例のごとし如し

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精選版 日本国語大辞典 「慣行」の意味・読み・例文・類語

かん‐こうクヮンカウ【慣行】

  1. 〘 名詞 〙 古くからのならわしとして行なわれること。また、ふだん習慣として行なうこと。
    1. [初出の実例]「学会の方法の如きは従前已に慣行する所ありと雖ども」(出典:日本道徳論(1887)〈西村茂樹〉四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「慣行」の意味・わかりやすい解説

慣行
かんこう
practice

日常用語では、広義に、慣習的な行動のすべてをいい、また狭義には、一定社会の人々に伝統的に守られている生活上の規則的な作業あるいは行事を意味する。学問的用語としてはかならずしも確定しているとはいえないが、だいたいにおいて、社会規範のうち慣習とモーレス習律)の双方を、価値原理を内在させた特殊な行動様式である点に着目して総称するものである。この場合の特殊性とは、一定の地域や集団における恒常的な生活過程のなかで、一定の生活目的のために特定の機会に行われることである。たとえば、個人や家庭についていえば、成人慣行、婚姻慣行、葬送慣行など人の通過儀礼に属するもの、あるいは旧正月慣行、節供慣行、流鏑馬(やぶさめ)慣行など年中行事や祭りとしてのものがあり、また地域集団ならば結(ゆい)慣行、入会(いりあい)慣行、口明け慣行など生産活動上の重要な機会における作業、さらに社会的諸団体、諸組織ならば取引慣行、労使慣行、社員慰安慣行などその組織の存立に特徴的な事業活動などが、これに含まれる。それらには一貫して各社会の共同性が反映されており、その点を強調すると公共性といえる性質もあり、サンクション(社会的制裁)を伴う場合もある。それらのうちには、もはや単なるモーレスにはとどまらず広義の法に属するものもあり、しばしば法習俗、法慣行、慣行法などとよばれることがある。慣行は最広義ではこれらの法までを含む。

[千葉正士]

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普及版 字通 「慣行」の読み・字形・画数・意味

【慣行】かんこう

慣習。

字通「慣」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の慣行の言及

【慣習】より

…一つの社会もしくは特定の集団の中で,伝統または慣行として確立された標準的な行動様式をいう。ある程度皆に公認された社会的行動であるため,また永く続けられてきた習わしであるため,成員にとっては一種の規範性を帯びることになる。…

※「慣行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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