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類推 るいすい analogy

翻訳|analogy

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

類推
るいすい
analogy

意味上密接に結びついている形態素間の音形が異なる場合,意味の共通性にならって音形の面でも共通性をもつ語形をつくりだすことをいう。それにより音形と意味との関係を合理化し負担を軽くする心理作用である。

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デジタル大辞泉の解説

るい‐すい【類推】

[名](スル)
類似の点をもとにして、他を推しはかること。「過去の事例から―する」
論理学で、二つの事物の間に本質的な類似点があることを根拠にして、一方の事物がある性質をもつ場合に他方の事物もそれと同じ性質をもつであろうと推理すること。結論は蓋然的。類比推理。類比。比論。アナロジー。
ある語形または文法形式との関連から、本来の語形または文法形式とは別の新しい語形または文法形式を作ろうとする心理的な作用。この種の働きによって、多くの不規則な語形が規則化されていくことがある。

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百科事典マイペディアの解説

類推【るいすい】

(1)哲学用語としてはアナロジーを見よ。(2)法律用語。ある事項につき法の明文がない場合,これと類似した事項について規定した法文を適用して,同じ法的効果を認めること。

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世界大百科事典 第2版の解説

るいすい【類推】

哲学上の概念については〈アナロジー〉の項で記すので,本項では法学上の類推について述べる。ある事項Aについて規定した法規は存在しないが,Aに類似した事項Bについては法規が存在するとき,その法規をAに適用することである。たとえば民法210条は,土地の所有者の囲繞(いによう)地通行権(〈袋地〉の項参照)を規定しているが,所有権者以外の土地利用権者については規定がない。このような場合に民法210条を後者についても適用することは類推適用である。

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大辞林 第三版の解説

るいすい【類推】

( 名 ) スル
似ている点をもとにして他の事を推し量ること。 「文献から-する」 「単なる-にすぎない」
〘論〙 〔analogy〕 両者の類似性に基づいて、ある特殊の事物から他の特殊の事物へと推理を及ぼすこと。結論は蓋然的である。類比。比論。類比推理。アナロジー。
言語学で、言語変化の原因とされるものの一。ある語形や文法形式が変化する際、その原因として、何らかの点で似かよっており、しかも勢力のある他の語の語形や文法形式がモデルとなることをいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

類推
るいすい
analogyanalogical inference

類比またはアナロジーともいう。二つの物事に共通点があることを認めたうえで、一方の物事にみられるもう一つの性質が他方にもあるだろうと推論すること。たとえ話による推論といってもよい。たとえば、勤勉な外国人と友人になったあとで、その外国人と同じ国の、別の人に会ったとき、彼女も勤勉だろうと考えるのは、類推にたった考え方である。つまり、国籍が同じであるという共通点をもとにして、勤勉であるという性質も共通だろうと考えているからである。事実、この類推は当たることもあるだろうし、外れることもあるだろう。天気と人の感情とが変化しやすいことに目をつけ、天の背後に感情の激しい神がいるだろうと考えるのも類推だが、この類推は現代人の多くは支持しないだろう。このように、類推はかならずしもつねに頼りになる推論方法ではない。しかし、直観に恵まれた人の類推が大発見のきっかけになることもしばしばあることは、科学史などで報告されている。[吉田夏彦]

言語学における類推

語形Aと、これに関係ある語形A′(たとえばAが「活用」した形、Aから派生した形、あるいは逆にAを生み出すもとになった形など)、および、Aとなんらかの点で類似した性質をもつ(たとえばAと同じ品詞に属する)語形Bがあるとする。このとき、Bについて、機能のうえでAに対するA′に相当する語形Xを求めるにあたり、形のうえでもこれに倣って、同じ要領を当てはめた語形B′をもってそのXとすること。すなわち、いわばA:A′=B:Xとして、X=B′と求めること。AとA′との間に語形、機能の両方について成り立っている関係が有力で一般性の高いものと認められる場合に、Bについてもこれと並行的な関係を成り立たせようとする心理が働く結果、このようにしてB′を求めるわけである。
 たとえば、「書ク」の命令形が「書ケ」であることをすでに知っている者が、「志ス」という動詞を初めて知り、その命令形は何かを考える場合を想定してみよう。この場合、書ク:書ケ=志ス:X、X=志セ、として求めるのが類推である。こうした類推は多くの場合は的(まと)を射ているのであり、言語の修得は類推があってこそ可能なのである。
 一方、実際には用いられていない形を類推によってつくってしまう場合もまたある。次のように分類してみよう。(1)Xを求めようとすること自体が的外れな場合(東北の人が「鳥コ」「鍋(なべ)コ」などの「コ」をとれば標準語形になることを知り、「タバコ」についても「タバ」とだけいってしまったというような場合)。(2)他の規則を適用してXを求めるべき場合(書ク:書ケに倣って「見ル」の命令形を「見レ」というような場合。「見ル」は一段活用だから規範的には「見ロ」というべきところ)。(3)Bが、当該の比例式適用の例外になっている場合(giveの過去形をgivedというような場合)。(4)Bに当該の比例式を適用すること自体に問題はないはずなのだが、たまたまB′が現実に用いられていない場合(「勉強」:「勉強スル」などに倣って、「科学」についても「科学スル」というなど)。
 このように既成の形ではない形を類推によってつくった場合、多くは誤用として斥(しりぞ)けられてしまうが、ときには、類推でつくられた形が力を得て新しい形として広く用いられるようになる場合もある。前出の(2)~(4)のなかでは、一般におそらく(4)がもっとも、類推形が受け入れられやすいであろう。また、Xに相当するものとして、B′以外にすでに他の形(古くからの形、規範的な形)B″が存する場合となにも存しない場合とがあるわけだが、概して、競合する形B″が存しない場合のほうが、類推形B′が力を得て定着しやすいと想像される。だが、B″が存しても、類推形B′がこれを駆逐したり、これと併存したりすることもある。たとえば「無理カラヌ」は前出(2)の例で、規範的には「無理ナラヌ」(=B″)というはずのところだが、「無理カラヌ」がすっかり定着している。なお、(4)の特別な場合として、ある語の派生形のようにみえる語形があって、派生のもとになる形に相当するものがないとき、前者から後者を逆に類推でつくりだす場合があり(たとえば名詞typewriterから動詞typewriteをつくる)、これをとくに逆形成back-formationとよんでいる。
 ある言語現象が、類推の比例式が成り立つ状態にすでにある場合、それはかなり安定した状態といえ、類推の成り立たない状態へと言語変化がおこる可能性は一般に小さい。一方、類推の比例式が成り立たない状態にある場合、成り立つ状態への変化がおこることはしばしばある。あるいは、ある種の比例式が成り立っていても、統一性をさらに強める別の比例式が成り立つ状態へと変化することもある(日本語のかつての一段動詞、二段動詞がともに一段動詞になったのもその種の現象とみなせる)。このように類推という心理作用は、言語の状態を保持する要因となる場合も、言語変化を促す要因となる場合もあるが、いずれにせよ、一般にその言語体系(の少なくとも一部分)における統一性を強める要因として働く。
 以上、語形について説明してきたが、構文、表記、発音などに関しても類推とみなしうる現象はよく見受けられる。[菊地康人]

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世界大百科事典内の類推の言及

【準用】より

…民法13条(禁治産の宣告の規定および禁治産宣告の取消しの規定の準禁治産への準用)や手形法77条(為替手形に関する規定の約束手形への準用)などはその例である。準用はその論理操作の性質上類推に似ているが,後者は解釈技術であり,前者は立法技術である点で区別される。たとえば刑罰法規の解釈においては類推解釈禁止の原則が妥当するが,立法技術としての準用は刑法251条・255条のように刑事法の領域においても用いられている。…

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