バイオクラスター(読み)ばいおくらすたー(その他表記)biotechnology cluster

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイオクラスター」の意味・わかりやすい解説

バイオクラスター
ばいおくらすたー
biotechnology cluster

産業クラスターの一つで、医療、食品などのバイオテクノロジー関連産業や研究機関が集中的に立地している地域のこと。世界的にはアメリカのカリフォルニア州シリコンバレー、サンディエゴ、マサチューセッツ州ボストンが大きな集積地として知られている。日本におけるバイオクラスターは、2001年(平成13)から経済産業省が推進している産業クラスター計画の一環としてスタートした。大学が研究した技術やノウハウなどを民間中堅企業などに移転させ、新しい産業を育成するプロジェクトが発足している。代表的なものとしては首都圏バイオネットワーク、東海バイオものづくり創生プロジェクト、関西バイオクラスタープロジェクトなどがある。経済産業省主導のもの以外にも、北海道から九州まで全国各地に数多くのバイオクラスターがある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「バイオクラスター」の解説

バイオクラスター

産業クラスターの1つ。産業クラスターとは「特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属する企業、関連機関(大学、規格団体、業界団体など)が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力している状態」(M.E.ポーター 竹内弘高訳・『競争戦略論 I,II』、ダイヤモンド社、1999年)をいい、バイオテクノロジー関連の企業や機関などが集中している地域をバイオクラスターと呼ぶ。米国では西海岸(サンディエゴなど)と東海岸(ボストンなど)にバイオクラスターが形成されている。日本でも、地域経済の活性化のために、バイオテクノロジー関連の企業や大学・研究機関などとの組み合わせによるバイオクラスターの創出が各地で試みられている。政府の地域産業振興施策では、北海道での「バイオ産業クラスター」計画、首都圏での「首都圏バイオネットワーク」計画などが進められている。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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