中堅企業(読み)ちゅうけんきぎょう

  • steady business enterprise

世界大百科事典 第2版の解説

中小企業から成長し,まだ大企業にはなっていない独立企業。日本では1960年代の初めころから中堅企業という用語が使われだし中村秀一郎がその国民経済的意義を明らかにして独自の概念構成を行った。すなわち,革新的な企業家活動によって中小企業から成長し,株式を公開して社会的な性格を強めながらも,依然として個性的な企業家によってリードされ,大企業のようにもっぱら組織によって運営されてはいない企業をいう。このように,中堅企業は必ずしも規模のみにかかわる概念ではなく,一定の特徴をもった企業の類型である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

保護・育成を必要とする中小企業ではなく、市場支配力をもつ大企業でもなく、まして零細企業でもないが、独自の経営力・技術力をもって堅実に地歩を築いている企業をさす造語。学術・法令用語ではないが、現実の経済状況を適切にとらえる必要から、1960年代中葉から用いられるようになった。企業規模の点では、ほとんどが中小企業(とくに断らない限り、資本金3億円以下または従業員300人以下の法人企業もしくは従業員300人以下の個人企業。ただし卸売業では資本金1億円以下または従業員100人以下、小売業では資本金5000万円以下または従業員50人以下、サービス業では資本金5000万円以下または従業員100人以下)を超えており、企業形態では、一部合同会社もあるがほとんどが株式会社である。株式会社の場合は、店頭取引か第二部上場になっていて、所有と経営が分離している。もっとも重要なことは、経営管理、研究開発、組織、人事管理、会計、財務管理、労使関係などが近代化され、ただ規模の点で大企業に劣るのみということである。

[森本三男]

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世界大百科事典内の中堅企業の言及

【中小企業】より

… なお,これら戦後の中小企業のなかからは,高い技術力によって革新を行い,問屋にも親企業にも依存しない独立性の強い企業が現れるようになった。最近では,この最新のタイプの企業は中堅企業と呼び,中小企業とは区別している。【由井 常彦】
【中小企業と法】
 日本のみならず,競争的な経済制度のもとでは,さまざまな規模の競争者による自由な生産,販売の経済活動が営まれる。…

※「中堅企業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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