改訂新版 世界大百科事典 「バジードー」の意味・わかりやすい解説
バジードー
Bagyidaw
生没年:1784-1846
コンバウン朝ビルマ(現ミャンマー)の第7代国王。在位1819-37年。先王ボードーパヤーの孫。封土としてサガイン地方を下賜されていたことからサガイン侯とよばれていた。1819年祖父の死とともに即位,古都アバに王城を築いて23年に遷都した。即位式の時マニプル太守が列席しなかったため,マハーバンドゥーラを司令官に任じて追討させ,マニプルやアッサムの太守がカチャールに亡命したため,24年ビルマ軍はジャインティアを経由してカチャールに進撃した。インド総督もビルマに宣戦布告し,軍隊を海路ビルマ領内に派遣した。この第1次ビルマ戦争は26年2月ビルマ側の敗北で終わり,ビルマはヤンダボー村で調印された講和条約に基づき,賠償金1000万ルピーを支払い,カチャール,ジャインティアの宗主権を放棄,アラカン,テナッセリム両地方をイギリスに割譲した。敗戦の衝撃もあって王は精神錯乱を起こし,37年弟ターヤーワディ侯に譲位した。
執筆者:大野 徹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報