マニプル(その他表記)Manipur

改訂新版 世界大百科事典 「マニプル」の意味・わかりやすい解説

マニプル[州]
Manipur

インド北東端の州。面積2万2300km2,人口217万(2001)。州都はインパール。ほぼ南北に走る標高1500~2000mの数条の山地群からなり,中央にインパール盆地が介在する。住民はシナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派に属する言語を話し,モンゴロイドである。北のナガ丘陵には階段耕作を営む定着的なナガ族が,また南のチン丘陵などには移動的な焼畑耕作民のクーキ族が住む。人口の約3分の2が中央の盆地に集中し,主要民族メイテイ族が住む。彼らはマニプリ語を用い,ヒンドゥー化されたものが多い。農業は米を主とし,丘陵斜面を利用して果樹栽培が増大しつつある。丘陵の森林は竹,チークを産する。工業は手工業でマニプル手織綿布は名高い。1714年にヒンドゥー王国として自立したが,62年にビルマ族の侵入に対抗するためイギリスに援助を請い,1834年保護条約によりマニプル藩王国となり独立時にいたった。1944年,インパールを目ざす日本軍が侵入した(インパール作戦)。独立後連邦直轄地を経て1972年に州となった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マニプル」の意味・わかりやすい解説

マニプル
まにぷる
Manipur

インド東端、ミャンマーと国境を接する州。面積2万2327平方キロメートル、人口238万8634(2001)、285万5794(2011センサス)。州都はインパール。西のマニプル丘陵、東のレタ山脈など標高1000~2000メートルの山岳地帯と中央のインパール盆地からなる。もとビルマ(現、ミャンマー)領であったが1826年イギリス領インドとなり、独立後は中央政府直轄地区で1972年州に昇格した。住民はチベット、ビルマ系のメイトナガクキなど焼畑農業を営む山岳民が多い。人口の大半はインパール盆地に住む。気候は温帯から熱帯で、山麓(さんろく)は照葉樹やタケ林が茂る。農業が中心で、盆地の沖積平野や山岳地帯の段々畑で、米、麦、豆類が栽培される。

[林 正久]

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