日本大百科全書(ニッポニカ) 「バラール」の意味・わかりやすい解説
バラール
ばらーる
Antoine Jérôme Balard
(1802―1876)
フランスの化学者。彼を有名にしたのは1824年の臭素の発見で、まだモンペリエの大学で化学実験助手をしていたときであった。海草中のヨウ素を、ヨウ素デンプン反応により検出する際、塩素水を加えたところ、特異な臭気をもつ橙黄(とうこう)色の層が分離することに気づいたのである。この発見は大きな意味をもった。というのも、ベルツェリウスが同年命名したばかりのハロゲン族に入ることがわかったからである。バラールは1834年モンペリエ大学の化学教授となり、パリ科学アカデミー会員、そしてソルボンヌ大学(パリ大学)やコレージュ・ド・フランスの教授となった。
[吉田 晃]
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