日本大百科全書(ニッポニカ) 「バントゥスタン」の意味・わかりやすい解説
バントゥスタン
ばんとぅすたん
Bantustan
南アフリカ共和国の領土内にあったアフリカ人自治区。のちにホームランドとよばれた。南アフリカ共和国政府は、1959年に制定されたバントゥ自治促進法で、同国を一つの白人国家と10のバントゥスタンに分離し、人口の71%を占める黒人を国土のわずか13%の散在する辺地に囲い込み、名目上の自治権を与えることを決定した。
1976~81年にトランスケイ、ボプタツワナ、ベンダ、シスカイの四つのバントゥスタンが「独立」させられたが、国際的には独立国として承認されず、この独立国として囲い込むアパルトヘイト政策は失敗に終わった。1993年に暫定憲法が制定され、ホームランドは解体、南アフリカ共和国に併合された。
[林 晃史]