辺地(読み)へんじ

精選版 日本国語大辞典 「辺地」の意味・読み・例文・類語

へん‐じ ‥ヂ【辺地】

〘名〙
仏語。彌陀の仏智疑惑を抱きながら往生した者の生まれるところ。極楽浄土辺界の地とも、浄土の化土ともいう。
今昔(1120頃か)一七「地蔵菩薩の本誓・悲願、辺地・下賤を不嫌給ずと知ぬ」 〔無量寿経‐下〕
中心から遠く離れた地。中国インドからみた日本の称。
平家(13C前)一〇「無比誓願をおこして、辺地の異域に侍べり」

へん‐ち【辺地】

〘名〙
都会から遠く離れた不便な土地僻地(へきち)。かたいなか。また、辺境の地。
文華秀麗集(818)中・折楊柳嵯峨天皇〉「花寒辺地雪、葉暖妓楼吹」
※夜航余話(1836)上「辺地の苦況を述る詩なれば」 〔漢書‐鼂錯伝〕

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デジタル大辞泉 「辺地」の意味・読み・例文・類語

へん‐ち【辺地】

都会から離れた土地。僻地へきち
[類語]辺鄙田舎在郷ざいごう在所在地在方ざいかた近在田園ひな地方辺境僻地へきち僻陬へきすう奥地辺土ローカル片田舎鄙びる草深い

へん‐じ〔‐ヂ〕【辺地】

仏語。阿弥陀仏本願に疑いをいだきながら極楽往生を願った者の生まれる所。極楽浄土の辺界の地。
中央から遠く離れた土地。インド・中国から見た日本など。
「無比の誓願をおこして、―の異域に侍り」〈平家・一〇〉

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普及版 字通 「辺地」の読み・字形・画数・意味

【辺地】へんち

辺境の地。〔漢書、錯伝〕(兵事を上言す)興りて以來、胡(こりよ)數(しばしば)邊地に入る。~西(ろうせい)三たび匈奴に困(くる)しめられ、民氣破傷す。

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