パクモトゥパ(その他表記)Phag mo gru pa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パクモトゥパ」の意味・わかりやすい解説

パクモトゥパ
Phag mo gru pa

元朝末期にサキャパに代り,チベットを支配した一族の名。中央チベット南東のヤルルン地方を中心としたスムパ族ラン氏の子孫。 1349年チャンチュプ・ゲンツェン (1302~73) が全チベットを平定したのに始り,元朝から 54年司徒の称を与えられ,ツェタンに近いネウドンツェから号令した。明朝はこの一族に闡化王の称号を与えた。 16世紀に入ると,西部のツァン地方のリンプンパ実権を確立した。パクモトゥパは非改革派のカーギュ派に属する教団を擁していたが,その配下とともにツォンカパの改革派教団を援助することが多かった。 17世紀に成立したダライ・ラマ政権はパクモトゥパの権力を継承したものと公称した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android