パーチメント(読み)ぱーちめんと

とっさの日本語便利帳 「パーチメント」の解説

パーチメント

ペルガモン(ペルガムム。Pergamon)▼学問が栄え、エジプトアレクサンドリアに次ぐ大図書館のあった古代都市。その遺跡は現在でもトルコ西部の都市ベルガマ(Bergama)に残っている。羊、山羊、子牛などの皮を乾燥させてから漂白し、石で磨いてつや出しした羊皮紙「パーチメント」がこの地で発明されたのは、書物コレクターとしてライバルであったエジプトの王がパピルス輸出を禁止したためで、それに替わるものとして誕生したといわれる。書写や製本材料としてヨーロッパで中世末期まで使われた。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパーチメントの言及

【図書館】より

…学術文化の面で,ペルガモンと張り合ったアレクサンドリアの人々は,貴重な書字素材であるパピルスのペルガモンへの輸出を禁止した。よってペルガモンではパピルスに代わるパーチメント(羊皮紙)の使用に踏み切った。ちなみに英語のパーチメントparchmentはペルガムムPergamumという同地のラテン名に由来する。…

【本】より

…ただし,近年ユーフラテス上流のローマ陣地遺跡を発掘したとき,皮紙文書が出土し,その年代がほぼエウメネス2世の治世の初めに相当することがわかったので,皮紙(羊皮紙)はエウメネス2世以前すでにアジアで用いられており,彼のなしとげたところは,他の目的のために存在していた材料を文学的な目的のために発達させたのにすぎないと説く学者もある。それはともあれ,皮紙を意味する英語の〈パーチメント〉は,〈ペルガモンの(紙)〉を意味するギリシア語の〈ペルガメネ〉からきている。当初は出版行為において,ただちに皮紙がパピルスの競争相手となりはしなかった。…

【羊皮紙】より

…前2世紀以前から17世紀ころまで,おもに小アジア,ヨーロッパで重要公文書,典礼書などの書写用に使われた薄手の動物皮をいう。羊皮あるいはパーチメントparchmentともいう。羊皮紙は東洋の製紙法が伝わり普及するにつれて衰退し,今日では装本材料としておもに用いられる。…

※「パーチメント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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